元地域おこし協力隊が語る地域おこし協力隊制度③~予算編~

元地域おこし協力隊が語る地域おこし協力隊制度③~予算編~

地域おこし協力隊が現地で成果ある活動を行うにはお金の問題を解決しなければいけません。

では、赴任して初日に予算の話になるのか?そういう待遇を用意している自治体は少ないと思います。
仮に、そうして迎えたいと思っていたとしても実施するは難しいです。
自治体全体の都合があるのです。

自治体の都合を知らずして我を通せば、地域に良い活動をしようとしても遂行できず、だれも得しない状況になりかねないと思います。

というわけで、今回は地域おこし協力隊になろうとしている方、現役協力隊の方、協力隊ではないが、地方を盛り上げるために地方で行政とタッグを組んで盛り上げようとしている方に知ってもらいたい情報をお届けします。

地域おこし協力隊のための400万円

地方交付税

地方交付税とは国が自治体それぞれの財政的不公平をなくすために交付するお金のことです。
地方交付税は普通交付税が94%、特別交付税6%で構成されています。
普通交付税は普段から不足する自治体の財政面の具合から支払われる金額が決まり、支払われます。
一方で特別交付税は災害の対応や再生可能エネルギー推進事業など政策にマッチした事業を実施するために一時的に支払われる色合いの強いお金です。

地域おこし協力隊の400万円は国から特別交付税として自治体に支払われます。

地方自治体の予算が決まる流れ

それぞれの自治体で内容は違ってくると思いますが、とある自治体のケースを紹介します。

10月上旬予算編成の方針を決定する新年度の予算についての方針が市長から示される
10月中旬サマーヒアリングを実施予算編成についての事前検討を行う
10月下旬各部要求予算編成に基づき、各部が実施したい事業について予算を要求する
11月~12月財政部調整各部の要求と新年度の収入・財源の見積もりと照合し、事業を採択する
1月中旬市長へ報告・査定財政部長から市長に報告。それを受けて市長 が査定し、予算案を決定する
1月中旬財政部長内示財政部長段階での査定結果を各部に提示
1月中旬 市長 復活査定各部が財政部長段階での査定結果に対して、 市長に再調整 の判断を求めます
1月下旬通達要望されたもので復活したものが各部に通達されます
2月中旬予算案の公表予算案を議会運営委員会に説明し、その後、公表
2~3月議会で審議・議決予算案が議会に提出され、審議・議決されます
4月各部で事業実施予算に基づいて事業が実施されます

表の上から3番目の各部要求のところで、次年度に地域おこし協力隊を採用したいですと要求します。この要求をする際に、要求する部署は、なぜ協力隊が必要なのか協力隊がどういうことをするのか財政の担当に納得のいく説明をする必要があります。
しかし、市長(もしくは町長、村長)が地域おこし協力隊を肝いりの事業と思っていたら、表の上から5番目のところで予算を入れ込むことができたりしますね。

この辺りは、それぞれの自治体で独特な制度になっていると思います。
現在では結構、情報公開されていますので、実際に協力隊として赴任する前に把握しておくと、業務がスムーズに始められるかもしれません。

最後に

予算の流れについて、わかっていただけましたでしょうか。

なぜ、これを知っておいた方がいいかというと理由は大きく2点です。

①協力隊の活動をする上で、資金の確保がしやすくなる。
②正職員の動きがわかるようになる。

①について予算のスケジュールを掴んでいれば、いつまでにやりたい事業についての説明資料を作らなければならないかなど、先手を取って行動をとることができると思います。

先手で動いていかないと、決裁システムや事業の資料作成、それに伴うエビデンス収集などに時間をとられて動けるものも動けなくなってしまいます。
気を付けましょう。

②についてですが、予算について各部(各課)が取り組んでいる時期は、とても忙しく、正職員の方々も手一杯のことが多いです。
そういう時に、お願い事や相談をしに行っても、聞いてもらえない可能性が通常時より高いと思われます。

むしろ、正職員が忙しいというところを逆手にとって、雑務などをこなしておいて貸しを作り、いざという時に協力してもらうくらいのしたたかさを持ちましょう。

「彼を知り己を知れば百戦危うからず」 by孫氏

あぁ、この情報は協力隊になる前の自分に教えてあげたかった・・・。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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