日本国内で働く外国人の数が「165万人」を超え、過去最多となっています。
「技能実習生」や「特定技能生」は移民ではないと、政府は言っていますが、海外の定義だと移民に含まれてしまいます。
日本人が移民を考える上で、三橋貴明氏の
「移民政策のトリレンマ」(2017・2・20)
リンク先:https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12249515222.html
は、個人的にすごく芯をついたご指摘だと思いましたので、こちらをご紹介しつつ、働く外国人と日常的に接している私の見解を書いていきたいと思います。
移民政策のトリレンマについての概要
「トリレンマ」の意味
「トリレンマ」ってどういう意味?
と、疑問に思われる方もいると思いますので、そこから説明します。
「トリレンマ(trilemma)」を説明する前に、
「ジレンマ(dilemma)」という言葉はご存じでしょうか?
これは2択で選択する場面があって、
「どちらかを上げれば、どちらかが下がる」
「どっちを選んでも、必ず損することが存在してしまう」
ような状況を言います。
これが3択になると 「トリレンマ(trilemma)」 となるわけです。
ちなみに語源は、「ギリシャ語」「ラテン語」からきています。
三橋氏が提唱する3要素とは?
三橋氏がトリレンマになりえると唱える三要素とはズバリ、
「外国移民」
「治安維持」
「自由」
の3つです。
「外国移民」は中・長期で日本に在住する外国人。
「治安維持」は日本国内の治安。
「自由」とは「選択の自由」を指すとのことです。
実際に働く外国人を受入れている国を見てどのようになってるかみてみましょう。
移民大国の例
アメリカの例
アメリカは移民大国として有名ですね。そもそも、移民が立ち上げた国ですから。
でもトランプ大統領が就任してからは、メキシコとの国境に壁を立てるとか移民を排斥しているんじゃないの?というイメージがあるかと思います。
しかし、トランプ大統領が言っているのは不法移民に対する取り締まりを強化するということで、移民全体を制限するとは言っていません。
ということで、今後も 「外国移民」 は増加か横ばいで推移していくことでしょう。
「治安維持」はどうでしょうか?
不法移民は、受け入れる企業もブラックだったりするため、離職率も高く、食えなくなって犯罪を起こしてしまう。
また、移民者の多くは必ずしも収入がいいわけではないので、教育に十分なお金を使うことができず、その子供もまた、収入の高い仕事につけないという負の連鎖が発生します。
移民をいれなければ、確かにこのような問題は発生しないと考えると「外国移民」を受入れると「治安維持」は低下してしまいますね。
最後に「自由」はどうでしょう?
アメリカについては「自由の国アメリカ」というだけあり、諸問題はありますが、法の下においては平等であり、法を犯さなければ「自由」と言えます。
シンガポールの例
続いてシンガポールを見てみましょう。
シンガポールも移民が活躍してきた国です。
シンガポールに行けばホワイトカラーの人からビルの清掃の方まで、移民ずくしの社会であることが確認できます。
マレーシアとの国境なんかは朝晩通勤ラッシュで渋滞ができるほどです。
「外国移民」はシンガポールにとって欠かせない存在であることから、これからも増加していくことでしょう。
では「治安維持」はどうでしょう?
シンガポールは、「チャイナタウン」「リトルインディア」「アラブ・ストリート」など宗教や文化の違う移民たちが共存しています。
国の面積が狭いことを上手に活かして、観光地としても評価の高い、世界でも珍しい景観を成しています。
三橋氏曰く、
「シンガポールは、「外国移民」と「治安維持」を両立させている、大変、珍しい国です。」
とのことです。(上記文は三橋氏のブログより引用)
素晴らしいと思うかもしれませんが、大きな代償を払っています。
それが「自由」です。
以下、三橋氏のブログより引用します。
シンガポールの人々(移民含みます)がリベラル・ナショナリズム的な自由を失っているように見えたのは、
● 英語を学ぶことが必須である(英語が話せなければ、職に就けない。ちなみに、シンガポールの公用語は英語、中国語、マレー語、タミル語の四つ)
● メイドさんとして働く、あるいは土木現場などで働く、あるいは町の清掃をするフィリピン人、インドネシア人とシンガポール人の間は、露骨なまでの「階級格差」がある
● シンガポールの子供たちは小学六年生の時に「PSLE」という試験を受け、成績次第で「人生」が確定してしまう(その後もテストが繰り返され、最終的に勝ち抜いた子供だけが大学に行ける)。
以上、引用でした。
他にも、居住地が所得に応じて決められていたりと、狭い土地を上手に活用するために、統制的な決まりがあるのは事実です。
日本はどちらに向かうのか
日本で、シンガポールのように「階級格差」を生みかねない制度を作るのは難しいと思います。
日本国憲法第13条「基本的人権の尊重」と同法第14条「法の下の平等」に抵触すると考えられるからです。
現在、日本人であれば、日本国内において、どんな仕事や宗教・ライフスタイルも選べます。
自由が保障されています。
この自由の保障を新しくやってくる外国人たちに適用し、彼らの求める自由を、現在の日本人が受入れることができるでしょうか?
都会にいる日本人が地方に移っても摩擦は生じています。
外国人を受け入れる体制として「アメリカ型」「シンガポール型」はたまたオリジナルの「日本型」を作り出し、運営していくのか・・・。
日本は早急に、議論し、舵を切り、体制を整備する必要があります。
最後に
いかがでしたか?
働く外国人は165万人と過去最高を超えました。
これは福岡市の人口に匹敵する数です。
政令指定都市、一つ分の外国人がもうすでに存在しているのです。
外国人を入れるか入れないかの議論の期間は過ぎて、外国人材に対しての方針を打ち出さなければ、日本人はもちろん、来日した外国人も混乱をきたしています。
記事をお読みいただいた皆さんはどのように感じましたか?
最後までご覧いただきありがとうございました。