ベトナム人が海外に働きに行く訳とは!?

ベトナム人が海外に働きに行く訳とは!?

ベトナム人が技能実習生や特定技能生として日本に働きに来る理由は?

一番はもちろん物価差で日本で働いた方が、本国よりもお金が稼げるからです。

しかし、ベトナムの子たちと話をしているとそれだけが理由ではないようです。

今回は、その理由と背景を書いていきたいと思います。

ベトナム人が海外に飛び出したい理由

日本とベトナムの賃金差

ここでは、比較しやすいように両国の最低賃金で比較してみたいと思います。

日本は東京の最低時給が1,013円となっています。

一カ月で170時間働くとすると、172,210円がざっくりと月額収入になります。
(社会保険料等の控除は省略します)

参考:厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

一方、ベトナムではハノイやホーチミンなどの大都市圏の最低賃金が月額442万ドン(約2万774円、1ドン=約0.0047円)となっています。

参考:JETRO ビジネス短信
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/11/95cbe9af10177409.html

このように比較すると約8倍の賃金差が発生することになります。

こりゃ、3年なら3年、異国の地で稼いでくるかって気持ちになるのも、よくわかりますね。

ベトナムには徴兵制度がある

もう一つ、ベトナム人の男性と話していると、仕事がきつくても日本に残りたい理由をよく耳にするのが「徴兵制があるから」です。

徴兵制というと、韓国やシンガポールでも実施されていますが、ベトナムでも実施されているようです。

大国アメリカ、中国との戦争にも勝った世界最強の軍隊の徴兵についてみてみましょう。

ベトナムの徴兵制度について

対象

徴兵は年に1回、2~3月頃に行われます。
18~25歳の男性が対象です。ただし、大学生は学生期間が対象免除となる代わりに27歳までが対象となります。
18歳以上の女性も志願することが可能となっています。

男性は強制的ではありますが、条件によっては徴兵を免れることができるそうです。

兵役義務の免除対象
〇烈士(戦死した軍人・従軍者等)、または一級傷兵の子供
〇烈士の唯一の兄弟
〇労働能力の81%を失った枯葉剤被害者
〇2級傷兵の唯一の子供
〇人民軍、人民警察以外の機密・重要業務を執行する者
〇経済社会情勢が特に困難な地域に24ヶ月以上赴任している公的機関の公務員、公的組織の職員やボランティア

兵役義務を果たしたとみなされる対象
〇地元警備隊の隊員として活躍し、常任隊員として12ヶ月以上勤務した者
〇村の警察として36ヶ月以上勤務した者
〇予備仕官としてランク付けられた公的機関・公的組織の公務員や職員、大学卒業以上の者
〇短期大学・大学を卒業し、自ら志望し経済国防集団で24か月以上勤務した者
〇漁業巡視船で24か月以上勤務した者

内容

兵役期間中は結構過酷な状況に置かれるようです。
ただし、経験者の人たちに聞いても、なかなか詳しくは語ってくれません。
行軍活動でバナナばっかり食べてジャングルに長く滞在したとか、話のネタにしか思えないことばかりが飛び出してきます。

ソースがないので、正確にお伝え出来ませんが、兵役経験者複数人が口をそろえて言っているのは、

「入隊してからしばらくはやることも過酷だし、先輩たちのいじめなどもえげつない。しかし、だからこそ、同じタイミングで配属になった同期とは兵役満了後も強い絆で結ばれる」

のだそうです。
私の知り合いの韓国人も兵役経験者が同じことを言っていたので、どの国も他では経験できない環境が待っているのでしょうね。

最後に

日本に在住しているベトナム人技能実習生たちは「兵役義務の免除対象」「兵役義務の免除対象」にも明記は確認できませんでしたが、どちらかに含まれているか、そもそも徴兵法が国内在住者のみに適用されるので、日本に在住している間は適用外となっていると思われます。

日本国内の技能実習生が中国人を抜いてベトナム人が一位になるほど、大量に来日している背景にはベトナム政府の国策としての「労働力輸出による外貨獲得」があるからです。

となると、国策に則って活動している若者たちを締め付けるようなことはしないと思われます。

ベトナム人技能実習生の多くは20代前半です。

兵役に行きたいか行きたくないかと聞かれれば、行きたくない人は少ないくないです。
となると、日本の仕事はきついけど、

「あと、数年耐えれば徴兵対象外になる!」

というのは大きな心の支えになるのではないでしょうか?

最後までご覧いただきありがとうございました。

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